第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

【背景】甲状腺腫瘍において穿刺吸引細胞診( FNA)は、術前良悪性の判断に必須である。今回甲状腺手術症例を対象に FNAの結果や術後病理診断、正診率等を検討したので報告する。
【対象】2016年1月〜2018年10月に甲状腺手術を施行した84例の結果をまとめた。
【結果】術後病理診断の内訳は、腺腫様甲状腺腫が約3割、偶発癌を含めた悪性腫瘍が半数を占めていた。 FNAの内訳は悪性の疑い、悪性が約1割、意義不明が約2割、良性が約5割を占めていた。 FNAの細胞診判定区分ごとの結果は、悪性と悪性疑いはすべて悪性腫瘍、意義不明は悪性腫瘍が約8割、濾胞性腫瘍は濾胞癌・腺腫が2割弱ずつ、良性と嚢胞液は良性腫瘍が約7割を占めていた。
【考察】 FNAが良性や意義不明では、悪性を疑い手術を施行しているため術後病理診断で悪性の割合が高値であったと考えられる。 FNAの正診率は約9割、感度は約8割、特異度は10割であった。
【結語】良性、意義不明の場合でも悪性腫瘍の可能性があり、超音波所見等を考慮し再検査や手術を検討することが重要である。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場