第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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甲状腺癌取り扱い規約第7版で微小癌とは病巣の最大径が 1cm以下で、組織学的には乳頭癌が多いが他の組織型を示す場合もあるとされている。また米国甲状腺学会ガイドラインでは 1cm未満の腫瘍に対してはリンパ節や遠隔転移などの悪性所見がなければ細胞診による精査をせずに経過観察を推奨している。今回われわれは微小癌と診断した症例にどのような治療が選択されていたかを後方視的に検討した。対象・期間は2014年10月から2018年9月までの4年間に当センターを受診した甲状腺癌患者83例のうち微小癌と診断した17例。当センターでは甲状腺超音波検査で悪性を疑う所見があった場合に細胞診を施行している。微小癌のうち被膜外浸潤やリンパ節転移、遠隔転移がない症例には経過観察を提示し、手術を強く希望する場合には十分なインフォームド・コンセントを得たうえで手術を施行している。結果 cT1aN0M0の微小癌14例中12例(85.7%)に対して手術が行われていた。この結果に対し文献的考察を加え当センターの方針の妥当性を検討する。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場