【背景】近年、癌の予後予測因子としてさまざまな炎症性バイオマーカーの有用性が提唱されている。 CRP/アルブミン比( C-Reactive Protein/Albumin ratio : CAR)もその一つとして提唱されているが、下咽頭癌における CARの予後予測因子としての有用性については不明である。【対象と方法】2002年から2012年までに初回治療として当科で放射線治療もしくは化学放射線治療を行った下咽頭扁平上皮癌症例92例を対象とした。治療開始前の血液検査結果より CAR、好中球リンパ球比、血小板リンパ球比、リンパ球単球比、予後栄養指数、修正グラスゴー予後スコア、予後指数を測定し、生存期間との関連について単変量解析、多変量解析により検討した。【結果】 CARのカットオフ値を0.128としたところ、単変量解析、多変量解析いずれにおいても CARは全生存期間、無増悪生存期間において独立した予後予測因子であった。【結語】根治的放射線治療を行う下咽頭癌症例における治療前予後予測因子として CARは有用と考えられた。
2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場