第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

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タイトル

【はじめに】嚥下機能手術は輪状咽頭筋切断術と喉頭挙上術に代表される嚥下機能改善手術と、喉頭全摘術、喉頭気管分離術、喉頭閉鎖術などの誤嚥防止手術に大別される。これまで東大病院で行ってきた嚥下機能手術について報告する。【対象と方法】対象は1995〜2018年に当科で誤嚥防止手術を実施した症例。カルテを後ろ向きに調査した(声帯内方移動術単独例は除外)。【結果】いずれかの嚥下機能改善手術を施行した症例は88例であり、脳血管障害が40例と最多であり、81例に輪状咽頭筋切断術が実施されていた。一方、誤嚥防止手術を施行した症例は116例であり、原疾患は筋萎縮性側索硬化症や多系統萎縮症などの神経筋疾患77例、実施術式は喉頭閉鎖術が85件と多数を占めた。【考察】近年は嚥下機能改善手術では経口的輪状咽頭筋切断術の導入や喉頭挙上の牽引糸の工夫など、低侵襲や合併症軽減を考慮した工夫がなされている。また、誤嚥防止手術は局所麻酔下喉頭閉鎖術の導入により、全身状態の不良な患者にも対応可能となり、実施症例が増加傾向にある。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場