第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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【はじめに】頸部膿瘍は気道狭窄、縦隔炎などの合併症を来すことがある。抗菌薬投与や切開排膿術による治療を行うが、長期の栄養管理が必要になる症例(嚥下障害例)と経口摂取可能である症例(嚥下良好例)を経験する。当科で治療を行った頸部膿瘍症例の嚥下障害について検討を行った。【対象と方法】2000年1月から2018年9月に当科で頸部膿瘍の治療を行った34例。1週間以上の栄養管理を必要とした嚥下障害例と嚥下良好例について比較した。【結果】男性21例、女性13例で平均年齢は50歳であった。嚥下障害例は14例で平均55歳、嚥下良好例は20例で平均47歳であった。嚥下障害例の CRP
29.5mg/dl、 γGTP 49U/l、 HbA1c6.6%に対して嚥下良好例の CRP 18.3mg/dl、 γGTP 77U/l、 HbA1c7.1%であった。嚥下障害例の膿瘍は舌骨下、咽頭後間隙など喉頭周囲におよび、経口摂取可能となるまで平均30日間を要した。【考察】 CRP高値で喉頭周囲に膿瘍がおよぶ場合は嚥下障害を考慮すべきである。嚥下障害例でもほぼ全例経口摂取可能となった。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場