第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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強直性脊椎骨増殖症( Forestier病)は脊椎可動制限等が主な症状で、骨増殖進行により咽頭違和感を生じる場合がまれにあるが、嚥下障害や呼吸困難を伴うことは非常にまれである。今回われわれは、嚥下障害と呼吸困難が手術後に軽快した強直性脊椎骨増殖症の一例を経験したので、若干の文献的考察を含めて報告する。【症例】63歳男性。【主訴】吸気時喘鳴、嗄声。【現病歴】数年前から嚥下時違和感を自覚していた。X年5月頃から嗄声を認め、X年7月上旬頃から吸気時喘鳴、呼吸困難、嚥下障害を認め、症状が進行するためX年7月下旬に当科紹介受診した。中咽頭後壁の著名な膨隆と両側声帯麻痺を認め、 CTで前縦靱帯の著明な骨化と突出を認め、強直性脊椎骨増殖症による嚥下障害、呼吸困難、両側声帯麻痺の診断となった。【治療後経過】気管切開術を施行し、整形外科にて脊椎骨棘の切除術を施行された。術後4日目に嚥下透視と嚥下内視鏡で誤嚥を認めず、右声帯可動性を認め、気管孔閉鎖と経口摂取を開始した。吸気時喘鳴、呼吸困難、嚥下障害は軽快し、術後14日目に退院となった。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場