第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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頭頸部癌治療は根治性と共に嚥下・音声・構音機能を如何に保存するかも重要な課題である。一般に頭頸部癌治療後の嚥下障害は、組織の欠損や線維化、再建組織による運動制限と流路障害、運動および知覚神経障害などに起因するが、化学放射線療法、特に動注化学放射線療法は根治性と共に機能温存が目指せるものとして有用である。しかし、副作用である悪心・嘔吐、食欲不振、粘膜炎による嚥下時痛のため、経口摂取困難となり治療完遂困難となることも経験する。これに対して治療前に胃瘻造設し、水分・栄養管理行い治療を完遂させることの有用性も報告されている。しかし、理論的には嚥下機能が保たれている筈なのに、治療後も長期に渡って嚥下障害の遷延している患者の存在することも事実である。今回、私たちは、中咽頭癌に対して治療前から胃瘻造設、動注化学療法完遂後、原発巣切除(拡大扁桃摘出術)、患側頸部郭清術後、6年以上嚥下障害が遷延していた患者を経験した。治療経過からは嚥下障害の要因は不明であった。実際の所見とその後の治療経過を示したい。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場