画像検査などの検査機器の発達により、頭頸部癌における診断の精度は向上している。その一方で、原発巣が特定できず治療方針に苦慮する原発不明癌が少なからず存在する。原発不明頸部リンパ節転移癌に対し2017年に UICCが新しい TNM分類を発刊したことで本邦でも2018年に第3版として頭頸部癌診療ガイドラインが改訂された。主な変更点として原発不明頸部リンパ節転移扁平上皮癌( primary unknown squamous cell carcinoma : PUSCC)の項目が新設され頸部リンパ節の組織診断で扁平上皮癌が検出された場合、 p16の免疫染色と EBER-ISHが必須となった。そして p16免疫染色が陽性の場合は p16陽性中咽頭癌、 EBER-ISH法が陽性の場合は上咽頭癌に分類されることになった。今回われわれは当科で治療した PUSCC症例を比較検討したので報告する。症例は2003年から2018年に当科を受診した PUSCC患者10例とした。第3版頭頸部診療ガイドラインに沿って p16免疫染色、 EBER-ISHを行い新ためて病期を決め治療成績の検討を行った。
2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場