神経線維腫症2型( Neurofibromatosis type2、以下 NF2)は、22番染色体長腕に存在する NF2腫瘍制御遺伝子変異によって生じる常染色体優性遺伝疾患であり、両側前庭神経鞘腫が特徴的である。その遺伝子型の差異が重症度と関連しているとの報告があるが( Ahronowitz Iら : Hum Mutat 28 : 1.12, 2007)、既存データは欧米からのものが主であり、本邦での NF2症例の遺伝的背景はほとんど検討されていない。今回私たちは、当科で最近経験した NF2症例7例を対象に、次世代シーケンスを用いて NF2遺伝子解析を行った。結果は truncating変異が4例( nonsense変異2例、 deletion/insertionと duplicationによる frame shift変異が1例ずつ)、 splice site変異が1例、3コドンの短い欠失が1例、未判明が1例であった。未判明の1例については、さらに MLPA解析を行ったが未判明であった。以上の結果を踏まえ、各症例における臨床経過と対比し、報告する。
2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場