第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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新しい半規管機能評価として video Head Impulse Test( vHIT)が報告され、その利点として、不快な症状を伴わず短時間で施行できる点、垂直半規管機能も評価可能である点などが挙げられる。今回われわれは vHITを用いて聴神経腫瘍患者の半規管機能評価を行い、関連する因子について検討したので報告する。北海道大学病院耳鼻咽喉科を受診した未治療の聴神経腫瘍症例21例を対象とした。男性7例、女性14例、年齢は50〜82歳(中央値67歳)であった。 vHITは ICS impulse( GN otometrics社)を用いて、各半規管の VOR gainを測定し、 VOR gain値と腫瘍径、症状発症からの期間、患側聴力との相関を検討した。患側 VOR gainはすべての半規管において、健側より有意に低下していた( paired t-test)。 VOR gainと関連する因子についての検討では、腫瘍径、症状発症からの期間との相関は認められず、患側聴力においてはすべての半規管で有意な相関を認めた( Spearman順位相関係数)。 vHITによる半規管機能評価は聴神経腫瘍症例の前庭機能評価において重要な役割を果たすと考えられた。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場