第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

【はじめに】悪性黒色腫に対する治療は、近年大きな変革を遂げている。今回、進行型粘膜原発悪性黒色腫に対し、ニボルマブを使用し良好な経過を得た症例を経験したため、治療選択を含め考察する。【症例】59歳男性。咽頭違和感を主訴に当科を受診した。 BRAF変異陰性の悪性黒色腫 cT4aN1M1( AJCC)と診断し、皮膚科を主体とするニボルマブでの治療が開始された。途中気管切開を要したが、その後は25クール以上の継続治療で、 PR維持が得られている。【考察】以前は悪性黒色腫の治療は、ダカルバジンや外照射と選択肢に限りがあった。しかし近年、複数の免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬が追加適応となった。頭頸部の悪性黒色腫では BRAF変異陰性例が多く、免疫チェックポイント阻害薬が第一選択とされている。本症例もこの条件を満たしニボルマブでの長期生存が得られている。一方で、過去の報告では奏効率や PFSは限定的であり、その症例選定が非常に重要と考える。【結論】進行型粘膜原発悪性黒色腫に対してのニボルマブ投与は第一選択になり得る。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場