動物実験では嗅覚障害モデルにて、嗅粘膜の退縮とその後の回復が観察される。人間においても同様の変化が起こっていることが予想され、この変化を客観的に捉えることは嗅覚障害評価に進歩をもたらすと考えられる。光干渉断層計( Optical coherence tomography : OCT)とは、赤外線の光干渉により断層画像を得る検査法で、現在眼科や皮膚科領域の臨床でも用いられ、その特性から鼻腔の嗅粘膜、呼吸粘膜観察にも有用性が期待される。今回、実験動物において OCTによる嗅粘膜評価が可能かどうかを検討した。まずは正常マウスにて、嗅粘膜と呼吸粘膜の OCTによる鑑別が可能かどうかを評価した。続いてメチマゾール投与による嗅覚障害モデルマウスにて、嗅上皮の障害と再生過程を OCTによって経時的に評価した。結果として、正常マウスにおいて上皮の厚さによって嗅粘膜と呼吸粘膜の鑑別が可能であった。また嗅覚障害モデルマウスにおいて嗅上皮の菲薄化とその後の再生過程を OCTを用いても観察可能であった。
2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場