症例 :58歳、男性。
現病歴 :入院10日前、咽頭痛、右頬部痛と腫脹、開口障害、38℃台の発熱を認め、近医を受診した。 CTで頸部膿瘍を認め、当院紹介となった。
現症 :右口蓋扁桃の左側偏倚、右側索の腫脹を認めた。血液検査では炎症反応の上昇と未治療の糖尿病を認めた。頸部 CTで、上方は頭蓋底直下、下方は舌骨の高さまで進展し、上方にガスを含有した膿瘍腔を右頸部に認めた。
治療 :入院同日、気管切開と経口的に頸部膿瘍切開排膿術を施行し、嫌気臭の排膿を得られた。培養から Streptococcus属と Prevotella属を認めた。 MEPM 1.5g/dayと連日の排膿処置を施行した。入院5日目に当院歯科の診察を依頼した。右上の7、8番、右下の8番に齲歯や歯肉からの排膿を認め、抜歯と洗浄、アクマロイシン軟膏塗布ガーゼの挿入を行った。その後、炎症は改善し、気切孔の閉鎖後、入院31日目で退院となった。
考察 :本症例は齲歯感染から生じた頸部膿瘍で、咀嚼筋間隙と傍咽頭間隙が膿瘍腔進展の経路と考えられた。外科的切開排膿術、抗菌薬投与、歯科処置により改善を得られた。
2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場