第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

一般に聴力検査で気骨導差が 10dB前後の症例は感音難聴と診断され、聴力改善手術の対象とはならない。しかしながら、オージオグラム上、感音難聴を呈していても耳小骨筋反射検査で固着が示唆される症例では固着解除後、骨導閾値の改善とともに気導閾値の大幅な改善をみることがある。耳硬化症の術後の overclosureはよく知られているが、アブミ骨以外の固着性病変の術前後の骨導の変化の報告は少ない。今回オージオグラムで感音難聴の像を呈する6例の固着病変(アブミ骨を除く)の術前後の骨導の変化と気導聴力改善を検討し、考察を加える。症例呈示(ビデオ) :17歳女性、1年前の検診で右中等度難聴指摘あり難聴の悪化と耳鳴を自覚し近医受診、当科紹介となる。受診時の聴力検査は、右耳は気導 41.7dB、骨導 35.0dBの感音難聴の像であった。左耳も同様の 28.3dBの感音難聴であった。右耳小骨筋反射は ipsi、 contraとも消失、側頭骨 CTでツチ骨固着が疑われ同固着解除術を施行した。術後1年の聴力は、気導 16.7dB、骨導 13.3dBとなり、骨導は術前より 21.7dBの改善をみた。

2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場