新生児聴覚スクリーニングにて先天性難聴が生後早期に発見可能となったが、1歳以降に難聴が発見される例もしばしば経験する。2014年から2018年に当科にて両側難聴と診断された1歳から10歳の17例を検討した。高度難聴は7例、中等度難聴は10例であった。就学児は3例ですべて中等度の感音難聴であり、学校健診を契機に受診していた。未就学児では言葉の遅れでの受診が6例、健診異常にて受診が3例、親や保育園の先生が難聴を疑っての受診が5例であった。全体では12例が補聴器装用を開始し、うち2例が人工内耳装用となった。新スク両側 referや3歳児健診で異常を指摘されたにもかかわらず、精査が遅れた例があった。難聴の早期診断のためには必ず精密検査を受けてもらうことが重要であり、市町の保健師へ啓発することが望ましいと考えられた。また4例が新スクパス後に感音難聴を来しており、新スクパス例でも言葉の遅れや発音の悪さなど難聴が疑われる場合は積極的に受診するよう、保護者や保健師に啓発する必要があると考えられる。
2019/05/11 13:50〜14:50 ポスター会場