近年、 ANCA関連疾患の患者において血清 IgG4高値を呈する症例や ANCA高値を呈する IgG4関連疾患の報告が散見されている。今回、われわれは ANCA陽性率と IgG4高値率の関係や肥厚性硬膜炎の有無などについて検討した。2011年3月から2016年3月の5年間に当院を受診し、 MPO-ANCA、 PR3-ANCA、血清 IgG4検査を受けた患者を対象とし、診断や病変部位、肥厚性硬膜炎の有無などについて検討した。対象は412例あり、19歳〜87歳(中央値 :67歳)、男女比は180 :232であった。全体の血清 IgG4高値は79例(19%)であり、 ANCA陽性かつ血清 IgG4高値であった症例は、20例(4.8%)認めた。疾患としては、 MPA27例、 OMAAV14例、 GPA10例、 EGPA5例、強皮症3例、その他9例であった。血清 IgG4高値症例において、 MPO-ANCA陽性が15例、 PR3-ANCA陽性が4例であった。肥厚性硬膜炎の有無に有意差は認めなかった。 ANCA陰性例と比較して陽性例の方が、有意に血清 IgG4高値例が多く、血清 IgG4高値例で MPO-ANCA陽性率が有意に高かった。 ANCA関連疾患と IgG4関連疾患では総合的に診断をする必要がある。
2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場