第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

はじめに :頭頸部の手術に際し、抗血栓薬服用中の症例に対して、出血の危険性を考慮し抗血栓薬を休薬するか、併存疾患の危険性を考慮して継続下で手術をするか、しばしば頭を悩まされる。そこで、当科の過去の手術症例における抗血栓薬服用の状況と手術に対するその影響を検討した。方法 :過去5年間に当科で手術治療を施行した3,268症例(耳科手術を除く)を、倫理委員会の承認を得て後方視的に検討した。抗血栓薬服用、年齢、性別、手術内容、術後止血手術の有無などを検討した。結果 :全症例のうち12%(399例)で抗血栓薬を服用しており、高齢者、男性に多かった。術中出血量は抗血栓薬服用患者の方が有意に多かった。服用患者の58%(230例)で休薬し、42%(169例)で継続下に手術を行った。継続下手術の方が、手術時間が短く、出血量が少なく、局所麻酔下手術の割合が多かった。そのためか術中出血量は継続下手術のほうが有意に少なく、再止血術の頻度に差はなかった。抗血小板薬単剤投与であれば安全に手術可能であった。

2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場