第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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医療技術の進歩により重症心臓病患者に対する治療が可能となり、術後の呼吸管理および栄養管理法がより重要となった。呼吸管理は、胸骨切開による創部感染、気管切開による ADL低下やリハビリテーション遅延を懸念し、経過が長くとも気管内挿管下に行われることが多い。その結果、喉頭に掛かる負担は大きく、特に声門後部は前方から気管内挿管、後方から経鼻胃管や臥床による頸椎前彎の圧迫、口腔・咽頭内吸引、鎮静や臥床姿勢、糖尿病等の合併症による下部消化管運動不全に伴う胃食道逆流などの侵襲が加わる。その後、全身状態が安定しリハビリテーションを進める段階になり、声門後部粘膜の瘢痕拘縮が起こり、徐々に喉頭狭窄が発症する懸念がある。そして再び気管内挿管か、避けていた気管切開が行われ、その後の回復の大きな妨げとなる。今回、私たちは重症合併症を有する心臓手術後に発症した声門後部の瘢痕拘縮による喉頭狭窄の3例を経験した。3例とも posterior cricoid splitを含む喉頭枠組み拡大手術、経鼻空腸栄養を含む栄養管理の工夫により改善を得た。

2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場