第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

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タイトル

頭頸部領域の腺様嚢胞癌( ACC)は唾液腺に由来が多い。その中でも舌下腺 ACCは特に予後が悪く、全体の5年生存率は2割程度とされる。当科で局所進行癌の舌下腺 ACC( T4aN0M0)に対して、セツキシマブ併用の放射線治療( BRT)を行い、治療終了後約3年間の局所および遠隔転移の制御が可能であった症例について報告する。症例は65歳男性。約2年前から徐々に増悪する右側舌痛を主訴に受診した。右側口腔底粘膜下に最大径 4cm大の弾性硬で可動性不良な腫瘤を認めた。画像では舌下間隙を中心に外舌筋および下顎骨骨髄浸潤を認め、セツキシマブ併用の放射線治療を施行した(セツキシマブは6回併用の 70Gy)。 Grade 3の粘膜炎、皮膚炎を来したが、著明な縮小効果を認め、治療効果 CRであった。治療終了後、約3年で局所再発および多発肺転移を認め、その後約半年で腫瘍死となった。頭頸部 ACCでは、舌下腺原発もしくは Stage IVは予後不良因子との報告があるが、局所進行の舌下腺 ACCに対する BRTによって約3年間の局所制御および遠隔転移制御が可能であった。

2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場