頭頸部癌の発生部位の内訳は、口腔が最も多く全体の4分の1を占め、喉頭、下咽頭が続くとされている。しかし、口腔癌は歯科口腔外科で扱われている施設もあり、耳鼻咽喉科として実臨床を行うと口腔癌症例に遭遇する頻度は全国統計とは異なっているのが実情である。昭和大学において医師と歯科医師が1つのチームとして昭和大学頭頸部腫瘍センターを開設して4年が経過した。当センターでは従来からの耳鼻咽喉科や歯科口腔外科といった垣根を取り払い、耳鼻咽喉科医、歯科口腔外科医だけでなく周術期口腔管理や構音・摂食・嚥下・術後の顎義歯の作成・リハビリテーションを行う口腔リハビリテーション科の歯科医師・衛生士がチームに参入することによって総合的に頭頸部および口腔内疾患の検査・診断・治療を行っている。今回われわれは、センター設立前後の口腔癌症例を主とした悪性腫瘍症例数や手術症例数の変化について報告し、歯科との連携の利点などについて検討したので報告する。
2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場