【はじめに】当科では眼窩下壁吹き抜け骨折に対して経上顎洞法で上顎洞前壁骨を用いて眼窩下壁を再建する術式を基本としてきた。しかし、十分な大きさの骨を採取できず、鼻中隔軟骨を使用したこともあった。近年、さまざまな再建材料が使用されるようになり、吸収性骨接合剤であるスーパーフィクソーブ MXを用いて治療した症例を経験したので報告する。
【症例】症例1は67歳、女性。201X年P月Q日に交通事故により受傷、右眼窩下壁・内側壁吹き抜け骨折を認めた。複視はなかったが、眼球陥凹に対して201X年P+2月Q+14日に整復術を施行した。症例2は14歳男性。201X年Y月Z日にサッカーの試合中に受傷。右眼窩下壁吹き抜け骨折による複視があり、201X年Y月Z+10日に整復術を施行した。いずれも骨折が広範囲でありスーパーフィクソーブ MXを用い、術後 CTにても眼窩下壁再建は良好であった。
【考察】いずれも術後1年以上経過したが、特に合併症はなく、眼窩下壁再建材料として有用と思われた。さらに長期に経過観察して安全性を確認していきたい。
2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場