【背景】わが国ではスギ・ダニ抗原共に感作発症しているアレルギー性鼻炎患者が少なくない。本邦で現在保険適応となっているこれら2抗原併用のアレルゲン免疫療法は SCITはこれまで行われてきたが、投与部位が同箇所である SLITの安全性は報告が少なく、プロトコールの確立はしていない。そこで今回、単一の抗原による SLITを継続している症例に対し、併用へ切り替えた際の安全性について検討した。【方法】スギ・ダニ抗原共に感作発症しているアレルギー性鼻炎症例でいずれか一剤の SLITを継続し副反応を伴っていない症例に対し、2種目の抗原を SLITとして併用した際の増量期および維持期初期の有害事象について評価した。【結果】スギ花粉舌下エキス投与中にダニ舌下錠を追加した症例において38%に副作用が認められ、ダニ舌下錠投与中にスギ花粉舌下エキスを追加した症例において20%に副作用が認められた。そのうち1例に皮膚症状が出現し中止に至り、その他の症例はすべて軽症で、平均1.5週間で自然軽快を認めた。いずれもアナフィラキシー反応は認められなかった。
2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場