第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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先天性サイトメガロウイルス( CMV)感染症は、先天性難聴の原因の中では遺伝子変異に次いで多い。母体より胎盤を経由して感染するが、およそ10%が重篤な症状を示す症候性 CMV感染症を発症し、残りの90%は無症候性感染となる。当科で経験した人工内耳症例のうち、先天性 CMV感染症に起因することが明らかであった高度両側性難聴症例は5例であった。生下時より高度両側性難聴の診断を得て早期に人工内耳植込術を施行した例は2例であった。また、乳幼児期以降に難聴の進行を認めた例は3例あった。そのうち1例は新生児聴覚スクリーニング検査で両側 passであったが、2歳時に二語文が出たのちに急速に聴力低下し、3歳8カ月で人工内耳植込に至った。また、補聴器装用にて普通小学校に通学していたが、8歳時より聴力低下し、9歳で人工内耳植込に至った例が1例あった。先天性 CMV感染症は進行性難聴を来すことが報告されており、迅速に難聴の診断を行い治療につなげることが重要である。これら症例について、病歴や治療効果を検討し、文献的考察を加え報告する。

2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場