第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

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タイトル

《初めに》瞬間接着剤による両側外耳道異物の一例を経験したので報告する。《症例》77歳男性。両耳の掻痒感を自覚し、掻痒感改善目的に両側外耳道内に瞬間接着剤を注入したとのことであった。難聴を自覚したため当科を受診した。外耳道は両側とも接着剤で完全に閉塞していた。側頭骨 CTを施行し、接着剤の広がりを確認しながらオリーブ油、除光液、鼓膜麻酔液等を用いて摘出を試みたが摘出できなかった。最終的に市販の瞬間接着剤はがし剤を使用し、硬化した瞬間接着剤を一塊に摘出し得た。外耳道皮膚の腫脹があり、異物摘出時には鼓膜は確認できなかった。数週間の経過にて外耳道浮腫改善し、鼓膜所見に異状がないことを確認した。難聴も改善した。《考察》瞬間接着剤による両側外耳道異物を来した症例は報告が少ない。外耳道から瞬間接着剤を摘出する際に瞬間接着剤はがし剤が最も有効であった。

2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場