第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

【目的】突発性難聴は原因不明の主に片側の急性難聴であり、病態は完全には解明されておらず、現状では定まった治療
法がないが、ステロイド療法が一般に広く行われている。ステロイド療法と血管拡張薬のプロスタグランジン E1( PGE1)併用治療の突発性難聴に対する有用性が報告されている。また、高圧酸素療法( HBOT)の突発性難聴に対する有用性が報告されているが、施行できる施設は限られているのが現状である。今回われわれは重症突発性難聴の初期治療として、ステロイド療法と PGE1に HBOTを追加した際の HBOTの有用性を検討した。【方法】2013年から2018年にかけて順天堂大学静岡病院耳鼻咽喉科で突発性難聴の診断で治療した134名のうち、プロトコールに基づいて治療を行った35名を対象とした。【結果】 HBOT群において、聴力閾値の有意な改善を認めた。周波数別の検討では 125Hz、 250Hzで有意に改善を認めた。【考察】重症突発性難聴症例に対して、ステロイド療法・ PGE1に追加して HBOTを併用した治療を行った場合により良好な聴力予後が得られる可能性が示された。

2019/05/09 17:40〜18:46 ポスター会場