第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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当科では誤嚥性肺炎罹患後や術後、口腔咽頭悪性腫瘍の治療後、脳神経疾患罹患後の症例に対する経口摂取、飲水再開時の嚥下機能評価として嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査を併用している。今回われわれは1年間に施行した検査結果を各項目毎に比較し検査を併用して行う意義について検討した。症例は平成30年1月から12月までに検査を施行した212例を対象とし、検討項目は年齢、性別、食欲、咽頭反射の有無、舌運動、指示従命、嚥下内視鏡検査での咽喉頭の唾液貯留、喉頭知覚、飲水試験での誤嚥の有無、また嚥下造影検査での食物、水分摂取時の誤嚥の有無を評価した。年齢、性別、食欲、舌運動、指示従命、嚥下内視鏡検査、造影検査で有意差を認めた。また嚥下内視鏡検査で誤嚥を認め経口摂取が難しいかと思われた症例や指示が入らず内視鏡検査が不可能であった症例でも造影検査では誤嚥なく嚥下が可能である症例が散見された。嚥下内視鏡検査、造影検査の両方が行える施設ではいずれも施行することでより確実な評価が可能になると思われた。

2019/05/11 9:15〜10:15 第10会場