嚥下機能は、経口的栄養摂取機能であるが、気道の面から見ると飲食物の気道流入防止機能と考えられる。四足動物と二足動物の口腔、咽喉頭を比較すると、高度な音声言語機能を持つ二足動物の人間の咽喉頭は、誤嚥に対して極めて脆弱である。除脳動物を用いた実験が、嚥下第2期に解明に果たした役割は大きい。しかし、嚥下運動は随意運動で始まることや、四足動物に比べると二足動物の人間の口腔咽喉頭は、構造的に誤嚥に対して極めて脆弱であることから、嚥下障害の治療成績向上のためには、臨床症例における嚥下第2期障害の病態解明が重要と考えた。
両側の三叉神経感覚麻痺が咀嚼障害を来すが、両側舌咽神経の感覚麻痺は嚥下障害を起こす。嚥下第2期を食塊の先端が咽頭流入開始からその後端が食道入口部を通過終了までとすると、食塊先端の食道進入を誤嚥なく止め、反射運動とされる2期があたかも中断するように見える延髄外側症候群の症例がある。これまでに経験した嚥下障害症例のなかで代表的な症例を動画と共に提示し、嚥下第2期について報告する。
2019/05/11 9:15〜10:15 第10会場