【目的】嚥下障害の合併症の一つに窒息があるが、これまで院内発生例に関する報告は少ない。急性期病院における食事による窒息事例を解析検討することで今後のリスク管理に生かせる因子を明らかにする。【対象と方法】20XX年から3年間、当院の入院患者で医療安全部にレベル 3b以上の窒息事例として報告があった例を後方視的に検討した。対照群は平均年齢、入院科を窒息群と合致させ、他は無作為に抽出した130名とした。【結果】窒息事例は5例、入院科は整形外科2例、内科3例(平均83.4歳)であった。窒息は嚥下障害リスクのある既往症を有し(5例中4例)、食事摂取が自立していた患者(全例)で起きていた。窒息イベントは入院早期(入院後平均9.2日)におき、食事形態は常食が多く嚥下調整食例はなかった。窒息群では利尿薬を内服している頻度(80%)が有意に高かった。65歳以上の入院患者が院内で窒息を起こす確率は0.04%、おおよそ2,500人に一人の割合であった。
2019/05/11 9:15〜10:15 第10会場