第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

軟部組織軟骨腫はまれな良性腫瘍である。今回われわれは咬筋内に発生した軟部組織軟骨腫を経験したので報告する。症例は42歳男性。2年前に左頬部の疼痛、腫脹、開口障害を認めたため前医受診し、精査目的に当科紹介となった。施行した FNAでは血液成分を認め、頸部単純 MRIでは左咬筋内に T1強調像で筋肉と同程度の信号域、 T2強調像で高信号域を呈する腫瘤性病変を認めたため血管腫を疑った。患者に手術希望がなかったため定期的な画像精査による経過観察の方針となったが、2年経過しても大きさに変化なく、患者が手術を希望したため手術の方針となった。手術で腫瘍は耳下腺深葉から咬筋にかけて存在しており、咬筋を剥離切断し、腫瘍を一塊として摘出した。病理学的診断では分葉状の粘液基質内に軽度核腫大した細胞、一部で軟骨への分化と石灰化を認めており、軟部組織軟骨腫の診断となった。文献的考察を加えて報告する。

2019/05/11 13:50〜14:50 第9会場