第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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「個別化」は、近年の癌治療のキーワードであり、純粋に個々の癌の特性を評価する方法の開発は急務である。われわれは、この「個別化」治療を目標に、末梢血中の循環腫瘍細胞( Circulating Tumor cell : CTC)に着目して研究を進めている。 CTCは、少なくとも癌組織から逸脱して全身循環に乗る能力を持つ細胞であることから、浸潤や転移能力が高いと考えられ、腫瘍の悪性度を代表するため解析対象として適当である。しかし、 CTCを検出する方法は、さまざまな癌腫で検討されているが、現時点では確立した方法はない。われわれは、 Clear cell FX system( Clearbridge Biomedics社製、 Singa-pore)を用い、上咽頭癌をはじめとした頭頸部癌で CTCの検出を試みている。腫瘍細胞が白血球などの血中の細胞よりもサイズが大きいことを利用し、 CTCを白血球など他の血液細胞と分離させるシステムである。現在までに、当教室では、5例の頭頸部扁平上皮癌患者の末梢血を Clear cell FX systemで濃縮し、細胞を固定後、蛍光免疫染色を行った。今回は、実際の検出方法と実際の検出例を供覧する。

2019/05/11 9:15〜10:15 第8会場