【はじめに】涙のう鼻腔吻合術( Dacryocystorhinostomy : DCR)は慢性涙のう炎に対する最終的な治療法である。当施設は DCRに特化した治療を行っており、今回手術症例について検討する。【対象】2012年4月から2018年11月の6年8カ月で慢性涙のう炎として紹介され DCRを施行後6カ月以上観察し得た829症例1,002側とした。適応は鼻涙管閉塞と総涙小管閉塞とした。【方法】術前に閉塞部位を同定し、眼科と共同で手術、術後観察(鼻内所見、涙メニスカス高など)を行った。原因、併用手術、閉塞部位、術後成績などを検討した。【結果】男性204例、女性625例、平均年齢68歳で、片側656例、両側173例であった。多くは特発性であるが、医原性が32例、外傷性が13例、悪性疾患が8例あった。併用手術は鼻中隔矯正術が174例、 ESSは88例、閉塞部位は鼻涙管閉塞854側、総涙小管閉塞は148側であった。初回当施設で手術を行い再手術となったのは18例であった。
2019/05/11 13:50〜14:50 第7会場