一般的な鼻中隔矯正術は、鼻中隔中央部の矯正術であり、従来は Killian切開により機能の改善が図られてきた。しかし Killian切開では、前弯の矯正は困難である。そのため当院では、前弯に対する手術として hemitransfixisionアプローチ、軟骨離断再固定、 batten graftによる前彎矯正術を行ってきた。今回われわれは、当院における hemitransfixisionアプローチ前弯矯正の治療成績について検討をした。この術式では視野が狭く手技的に困難であるという問題があった。そして鼻腔通気度検査、鼻腔形態、画像検査では説明できない非改善例が約10%の割合で認められた。長期成績では、軟骨が強度に弯曲し骨折を伴っていた症例で再弯曲した症例が認められた。この症例に対しては、外切開による鼻中隔外鼻形成術の再手術を必要とした。今回われわれが施行した hemitransfixisionアプローチ前弯矯正の治療成績および術後再弯曲した症例について報告する。
2019/05/11 9:15〜10:15 第7会場