アレルゲン免疫療法は従来の薬物療法や手術とは異なり、アレルギー性鼻炎の自然史に介入する可能性のある根本的な治療法として注目されている。本邦では2014年にスギ、2015年にダニに対する舌下免疫療法( SLIT)が保険適応となり、近年小児への適応拡大がなされ、今後さらに各施設で実施されることが期待される治療法である。 SLITは比較的安全に導入・維持ができることが利点であり、スギ・ダニそれぞれ単剤での安全性、有効性は確立されつつある。皮下免疫療法( SCIT)では、複数のアレルゲンを同時に投与することはすでに報告が見られるが、 SLITでは舌下に複数抗原を投与することによる副作用の増強が懸念され、いまだエビデンスの蓄積は少なく、安全性や方法論が確立されていないのが現状である。今回われわれは、スギ・ダニ併用舌下免疫療法( Dual SLIT)導入例について、安全性および投与方法の工夫、有効性に関して検討を行ったので報告する。
2019/05/11 13:50〜14:50 第6会場