第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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[はじめに]硼素中性子捕捉療法( BNCT)が平成30年6月に当院に導入され、平成31年度内の承認医療化を目指し準備中である。われわれは適応疾患である耳下腺癌の自験例解析を進め、承認後の速やかな臨床導入を目指している。[対象と方法]平成19年9月から30年8月に当院で治療を行った耳下腺癌112例について、腫瘍の局在から1)手術非適応症例、2)耳下腺全摘+顔面神経切断症例、3)再発症例における BNCTの適応の検討を行った。
[結果]1)群は9例中6例(67%)、2)群は17例中12例(67%)、3)群は5例中3例(60%)であった。
[考察とまとめ] BNCTは、癌組織に集積したホウ素と熱中性子との核反応で生じる高 LET放射線により癌細胞を選択的に破壊させる治療法である。本解析の結果から、従来の標準治療では治療が難しい、または治療による顔面神経障害を来した症例の約60%(全症例の19%)は強力な局所治療を追加できる可能性が示唆され、 BNCT導入後の同疾患での治療成績の向上が期待される。

2019/05/11 9:15〜10:15 第5会場