近年、前庭誘発筋電位( VEMP)および video head impulse test( vHIT)によって、5つの末梢前庭器(前、後、外側半規管、球形嚢、卵形嚢)および2つの求心路(上、下前庭神経)の機能が評価できるようになった。そのうち上、下前庭神経の機能評価方法は複数の検査が存在するが、それぞれの検査の受容部位、求心線維、神経内の走行部位が異なるので、結果に相違が生じる可能性がある。そこでそれぞれの検査結果にはどのような関連があるのかを検討した。対象は、前庭神経障害の存在が推定される聴神経腫瘍患者を用いた。
その結果、上前庭神経機能検査としてカロリック検査と oVEMP・外側半規管の vHIT検査の結果はそれぞれ強く関連し、相互に置き換えが可能であった。また、下前庭神経機能検査として cVEMP検査の結果と後半規管の vHITの結果には関連性があるが、後者の感度がやや低いことが分かった。
2019/05/11 13:50〜14:50 第4会場