第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

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タイトル

嗅覚障害を訴える ECRSと nonECRSの手術時に嗅粘膜を採取し嗅粘膜への好酸球浸潤および組織障害と術後の嗅覚機能とを対比した。 nonECRS群では術前に比べ術後 3、 12Mで自覚症状、 CT、ポリープスコアーと T&T認知閾値ともに有意な改善を認めた。一方、 ECRS群では術後 3から 12Mで悪化し副鼻腔炎の再燃が認められた。自覚症状(嗅覚障害)と T&T認知閾値はともには術後 3Mまで有意な改善があるが、 12Mで有意差が消失した。術後 3、 12Mで両群間にΔ T&T値(=術前認知閾値−術後認知閾値)の有意差を示し、嗅覚改善度の差を認めた。嗅粘膜の組織学的検討で ECRS群の呼吸粘膜と嗅粘膜で多数の好酸球、上皮細胞びらん、 OMP陽性細胞数の減少を認め嗅粘膜上皮障害が考えられた。以上より、 ECRS群では嗅神経性嗅覚障害のため、術後 3Mで nonECRS群より嗅覚改善度が低いと考えられた。さらに術後 12Mでは副鼻腔炎の再燃を来し気導性嗅覚障害も加わっていると想定された。

2019/05/11 9:15〜10:15 第3会場