好酸球性副鼻腔炎( ECRS)は保存的治療には抵抗性で、ステロイドの全身投与が唯一有効であるとされるが、使用を中断することで増悪・再燃を容易に来すことが多い。そのため ESSが必要となる症例が多いが、出血が多い、隔壁の完全な除去を目指す必要がある、再手術症例が少なくない、などの理由で手術の難易度は高い。欧米の報告では術前の経口ステロイド使用が推奨され、術中、術後の有効性が示されている。本邦では JESREC studyに基づいた ECRSの診断基準が確立されており、組織中好酸球数が70個 /HPF以上で確定診断となる。一方で診断基準が確立したことで、術前にステロイドを使用した場合に診断基準を満たさなくなることが懸念され、術前の使用を差し控える施設も多い。 ECRSのみを対象とした、ステロイドの組織中好酸球に対する影響の報告はなく、実際にどの程度診断に影響があるのかは不明である。われわれは術前後で鼻粘膜組織の採取を行い、術前の経口プレドニゾロンによる組織中好酸球数への影響について検討を行った。
2019/05/11 9:15〜10:15 第3会場