第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

【目的】好酸球性副鼻腔炎( ECRS)に対する内視鏡下副鼻腔手術( ESS)の術後再発因子について検討し、 ESSの工夫点について考察する。【対象と方法】2007年から2017年に当科で初回両側 ESSを行い術後1年以上経過した鼻内視鏡所見を評価し得た JESREC基準を満たす ECRS205例を対象とした。男性127例、女性78例、中央値52歳(21〜79歳)。術後内視鏡スコア(Eスコア)と嗅覚平均認知域値を検討した。【結果】Eスコアは短期(術後12カ月未満)と比較して長期(12カ月以上)に有意に増悪した( p< 0.001)。短期から前頭洞のスコアが高かった。平均認知域値は有意に改善した。【考察】術後は前頭洞病変から再発することが示唆された。ナビゲーション下に残存蜂巣なく汎副鼻腔開放(Ⅳ型)を行い、 area manage-ment概念に基づき眼窩・頭蓋底・前篩骨動脈の損傷を回避し、前頭洞後壁から前部篩骨洞天蓋を平坦化させた前頭洞排泄路の開大が重要と考えられた。嗅覚障害には、上鼻道開大、上鼻甲介温存、術直後の嗅裂部へのステロイド含有止血用ゼラチン留置が有用と考えられた。

2019/05/11 9:15〜10:15 第3会場