第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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胸肋鎖骨過形成症は胸肋鎖骨関節に生じる有痛性の肥厚性骨病変であり、掌蹠膿疱症とも合併しやすく扁桃病巣疾患の代表的疾患である。今回われわれは本疾患にて扁桃摘出術を行った56症例を検討したので報告する。
対象は男性18例、女性38例で、年齢は15〜74歳(中央値49歳)であった。観察期間は3〜60カ月(中央値12カ月)であった。掌蹠膿疱症の合併を50例に認めた。術後の関節痛を、10段階にて VAS( visual analogue scale)による自己採点法で評価した。結果は、疼痛消失( VAS 0)が38例(68%)、著効( VAS 1-2)が9例(16%)、有効( VAS 3-5)が6例(11%)と有効以上の効果を53例(95%)と高率に認めた。また術後3カ月の時点で評価可能だった38例中、24例(63%)にて疼痛が消失しており、比較的早期に効果が現れていた。胸肋鎖骨過形成症に対する扁桃摘出効果は非常に高く、手術を積極的に勧めるべきと考えられた。

2019/05/11 9:15〜10:15 第2会場