第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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【はじめに】ホスホリルコリン重合体(リピジュア® :日油(株)製)は、は人工臓器の表面処理剤として開発され、歯科領域などでは細菌接着を抑制することが示されている。また、細菌のホスホリルコリン( PC)発現が細菌接着ならびに病原性にかかわる。そこで今回われわれは、黄色ブドウ球菌とレンサ球菌を用いて細菌の PC発現とリピジュアの接着阻害効果の関係について検討した。【方法】細菌は黄色ブドウ球菌11株とレンサ球菌9株を用いた。それぞれ血液寒天培地で37℃、5% CO2下で1晩培養し、吸光度計を用いて一定濃度に調整した。細胞は Detroit 562 cellsを使用した。上皮細胞をリピジュアまたは PC-KLHで前処理し、接着細菌数をコロニー数で測定した。【結果・まとめ】 Detroit 562 cellsを PC-KLHとリピジュアで処理すると細菌の PC発現にかかわらず細菌接着が抑制された。これらの結果から、リピジュアは細菌の PC発現がその細胞接着に関与しない細菌であっても、接着を阻害することが示唆された。

2019/05/10 11:40〜12:20 第10会場