第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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MRI画像は一般に軟部組織診断に有用な方法であり、側頭骨内軟部組織病変の診断も例外ではない。一方、画像では顔面神経も容易に同定されることから、ベル麻痺やハント症候群など顔面神経麻痺における MRI画像については以前より検討されてきた。しかし、その臨床像、意義はさまざまな報告があり、現在なお、明らかでない。今回われわれは名古屋市立大学病院にて顔面神経減荷術を施行し、かつ、 1.5Tの MRI撮影装置を用いてガドリニウム造影画像を含む MRI画像を術前に撮影した重度のベル麻痺39例を対象に、術中の神経所見と撮影された MRI元画像との相関を Image Jを用いて定量的に解析した。その結果、顔面神経の一部区間のガドリニウム造影効果と顔面麻痺の予後の相関関係を見出した。このことは、 MRIの造影効果が予後を規定する病態を反映することを示唆する。この画像所見の意義について、文献的考察を交え報告する。

2019/05/10 10:20〜11:00 第10会場