第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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骨腫は良性の腫瘍であり耳鼻科領域では副鼻腔に見られることが多いが、側頭骨に発生した骨腫はまれである。側頭骨に発生する骨性病変として、外耳道外骨腫があるが、両者は時に鑑別が困難であるとされている。外耳道骨腫は孤立性、有茎性で、骨縫合に一致して発生するが、外耳道外骨腫は多発性、広基性に発生する。骨腫の治療法は主に手術となり、耳内切開のみの低侵襲な治療で対応可能な場合が多いが、術後の再狭窄予防などに留意が必要である。
われわれは外耳道骨腫4症例と側頭骨乳突部に発生した骨腫1症例を経験した。外耳道骨腫4症例は、孤立性で、骨縫合に一致した部位に茎を持つ骨腫に対して、耳内切開法により摘出し、経過良好である。側頭骨骨腫1症例は、耳後切開により切除し、経過良好である。骨腫と外骨腫について、発生部位や病理学的特徴などの相違点、および、外耳道骨腫・側頭骨骨腫の手術方法について、文献的考察を加えて報告する。

2019/05/10 9:30〜10:20 第10会場