第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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咽頭癌に対する経口的手術(以下 TOS)は粘膜表在癌を含む早期癌に対して積極的に行われている。欧米ではロボット支援下手術が、本邦においては TOVS・ ELPSといった手技が多くの施設で行われている。 TOSは手術侵襲の面のみならず、機能温存の面でも低侵襲治療であるとされており、諸家の報告でも嚥下機能は保たれると言われているが、単一治療法での考察は散見されるが他の治療法との比較は少ない。今回、われわれの施設で治療を行った咽頭癌症例の治療後嚥下機能、栄養評価について後ろ向きに検討を行った。本研究は、咽頭癌に対する初回治療での TOSは、他の治療法と比較して嚥下機能と栄養状態の長期予後を改善する、という仮説の検証を行うものである。対象は治療後6カ月以上を経過した TOS群と CRT群とであり、 TOS群は、中・下咽頭癌 T1、 2かつ頸部リンパ節転移の有無として N2bまでとした。また、 CRT群は内容として RTxは IMRT 66―70Gy/35fr.かつ CTxは CDDP 100mg/m2 q3wを施行した患者とした。本研究結果について諸家の報告と比較しながら考察を行い、今後の方策を述べたい。

2019/05/10 11:20〜12:10 第9会場