第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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UICC TNM分類第8版において、 HPV感染のマーカーである p16発現の有無により、 p16陽性と陰性癌に区別され、 p16陽性癌では N・ stage分類が変更、ダウンステージングされることとなった。今回過去10年間において当科で加療した中咽頭癌症例に関して(過去の症例に関しては p16染色を施行し)リステージングを行い、症例背景や治療内容について検討を行った。2008〜2017年の10年間において当科で加療した中咽頭癌症例は564例、うち根治治療を施行した扁平上皮癌症例は499例であった。前半5年(前期)は年平均40例前後、後半5年(後期)は60例と増加傾向にある。内視鏡での診断技術の向上により経口切除や内視鏡下粘膜剥離術( ESD)を施行している症例が近年増加していることが一因と思われた。 p16陽性率は前期で約50%、後期では約42%、全体で約45%であった。前期では評価不能症例が40例あり正確な比率の評価は難しいが、後期で陽性率が低下している原因として経口切除・ ESD症例の陽性率が低かったことが一因と思われた。今回、治療内容や成績についても併せて検討、報告する。

2019/05/10 10:20〜11:20 第9会場