[はじめに]頭頸部癌取り扱い規約第6版では p16の腫瘍内高発現が HPV感染の代替マーカーとして用いられている。しかし、 p16高発現は HPVの直接的検出方法ではなく、低特異度が問題である。われわれはその課題を補填するために、 PCR法 HPVタイピングを併用している。今回はその結果を解析し、患者背景について検討した。[対象]2011年1月から2018年10月までに当科を初診した中咽頭癌103例を対象にした。38歳から86歳(平均66.1歳)、男性/女性=88 /15例であった。側壁72例、前壁18例、上壁7例、後壁6例であった。[結果] PCR法で陽性は45例、陰性は58例であった。 HPV亜型は16型37例、18型1例(2種で84%)、他9例であった。亜部位別の陽性率は側/前/上/後=51 /44 /0 /0%であった。初診時年齢は陽性/陰性=64.1 /67.6歳、男性の割合は89 /83%、喫煙率は84 /89%、習慣的飲酒割合は62 /82%であった。陰性例の13例は p16陽性であった。[考察]両群の背景因子の特徴を示すための解析方法を考察する。また、 HPV-PCR陰性で p16陽性症例の意義を検討する。
2019/05/10 10:20〜11:20 第9会場