【背景】ニボルマブは国内初の頭頸部癌に対する免疫チェックポイント阻害薬である。2017年に白金製剤に抵抗性の再発転移頭頸部癌で使用可能となり、化学療法の選択肢はさらに広がった。【目的】当科におけるニボルマブ投与患者の予後について明らかにする。また、ニボルマブ登場以前の患者集団と比較を行い、治療選択肢の増加が予後に及ぼす影響を明らかにする。【対象と方法】2017年3月〜2018年11月にニボルマブを使用した再発転移頭頸部癌19例を対象とし、電子カルテを用いた後ろ向きチャートレビューにより検討を行った。ニボルマブの奏効率、無増悪生存期間を検討した。また、対象となるニボルマブ非使用群として2012年12月〜2017年3月のニボルマブを使用していない再発転移症例を抽出し、再発転移に対する治療開始からの粗生存期間をニボルマブ使用群と比較検討した。【結果】ニボルマブ使用群は非使用群と比較して有意に粗生存率の延長を認めた。治療選択肢の増加は予後の改善に寄与する可能性が示唆された。
2019/05/10 10:20〜11:20 第8会場