60歳の女性で鼻閉と進行する左の視力障害を訴えて前医より当院に紹介受診となった症例。画像検査では鼻中隔を中心に深部は斜台から頭蓋底にかけて非常に巨大な腫瘍性病変を認め生検したところ軟骨肉腫 GRADE1の診断であった。当初は surgical marginが取れないと判断したこともあり根治目的で重粒子線治療を提示したが視交叉が照射野に含まれるために将来的に失明の可能性が高いことを放射線科医に説明を受けた結果、重粒子線治療を患者さんは希望しなかった。その結果患者さんは surgical marginが取れないこと、全摘できない可能性を理解した上で経鼻内視鏡的に摘出する方針を希望した。鼻中隔軟骨肉腫は非常にまれな疾患であり実際の手術所見、術前術後の経過などを諸家の文献的な考察も含めて今回発表する。
2019/05/10 9:20〜10:20 第8会場