Undifferentiated pleomorphic sarcomaは、以前は UPS/MFHと言われていたが2013年の WHO分類にて Undifferentiated/ unclassified sarcomaの亜型として分類された。四肢の軟部組織の発生が多く、頭頸部での発生は比較的まれである。今回われわれは右上顎洞に発生した Undifferentiated pleomorphic sarcomaを経験したので文献的考察を交えて報告する。症例は65歳男性。主訴は鼻閉、開口障害、右上歯肉部から硬口蓋にかけての腫脹で、右上顎腫瘍が疑われ、当科に紹介となった。 CTでは、右上顎洞を中心に 8cmを超える腫瘍性病変を認め、上顎洞の前壁、内側壁、後壁および眼窩、篩骨洞の骨破壊と、咀嚼筋間隙へ浸潤を認めた。上顎洞悪性腫瘍が疑われ、開放生検・可及的減量手術を施行した。術後病理組織学的に Undifferentiated pleomorphic sarcomaと診断され、右上顎洞原発肉腫(T4aN2bM0)に対して単独放射線治療(66Gy)を施行した。現在治療後3年3カ月経過し、局所再発、遠隔転移等なく外来経過観察中である。
2019/05/10 9:20〜10:20 第8会場