日常診療の中で、めまいを診察する機会は数多くある。そのほとんどは末梢性めまいであるものの、一定の割合で脳梗塞や腫瘍性病変などの中枢性めまいが潜んでいることは既知の通りである。当院めまい外来では、当科および他科より依頼されためまい症例に対して、標準純音聴力検査、注視眼振検査、頭位・頭位変換眼振検査、 ENG検査(指標追跡検査、 OKP、カロリック検査、 visual suppression test)を施行している。当科疾患としては突発性難聴、前庭神経炎、末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺および Hunt症候群)、良性発作性頭位めまい症、メニエール病の順で頻度が高かったが、聴神経腫瘍をはじめとした腫瘍性病変や脳梗塞などの中枢性めまいが散在していることが分かった。今回われわれは、2011年2月から2018年3月にめまい外来を受診した922症例を検討し、その中から中枢性めまい症例を提示することで、今後のめまい診療の一助としたい。
2019/05/10 10:20〜11:20 第7会場