第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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はじめに:後半規管型良性発作性頭位めまい症(以下pc―BPPV)には繰り返し頭位変換を行うとめまい症状、頭位変換眼振が消失する疲労現象が存在する。今回、疲労現象を確認した30分後に疲労現象の効果がなくなり頭位変換眼振が回復するかどうかを調べた。方法:pc―BPPV 症例20例に対し患側へのDix―Hallpike 法(以下DH 法)を続けて二度行った。また二度目のDH 法より30分経過した後に三度目のDH 法を行った。これらにより誘発された頭位変換眼振に三次元眼球運動回転軸解析を行い最大緩徐相速度を求めた。結果:一度目の頭位変換眼振の最大緩徐相速度の平均値は48.0°/秒、二度目は4.8°/秒、三度目は41.6°/秒であり、二度目は一度目に比べ有意に減少していた。一度目と三度目の間には有意差を認めなかった。考察: 二度目の頭位変換眼振の最大緩徐相速度は、疲労現象により、一度目に比べ減少していた。一度目と三度目の間に有意差を認めず、30分後には疲労現象の効果が消失し、頭位変換眼振が回復していたと考えられる。結論: 疲労現象の効果は30分以内に消失する。

2019/05/10 10:20〜11:20 第7会場